2024年4月に会社を引き受けてからの1年は、一言で言うと「たまらなかった」です。想定外のことはいろいろありました。初めてのことばかりなので当然です。一人社長と、チームで回す会社は別物それまでも自分の会社はありました。ただ、一人の会社です。好き勝手に、得意なことだけをやっていました。正直に言えば、あの頃の自分は遊んでいたと思います。それと比べると、チームを作って、新しいお客さんのところに行って、新しい商材を売る。その経験をするだけで、自分としては楽しかった。ビジネスの仕組みをごっそり引き受けたあとの方が本当に大変で、そして、すごく成長したと思います。承継するオーナーは、孤独を抱えている1年やって気づいたことがあります。事業承継をしようとするタイミングのオーナーは、孤独を抱えていることが多いのではないか、と。会社をやる気が少しずつ削がれていって、それで承継を考える。だからその会社自体に、そもそもスピード感がない。そこに、彼らからすると若めの人間が入ってくる。チームの中に「上司」ができる。すると、前オーナーもちょっとやる気になる。そのオーナーをどんどん乗せて、どんどん動かしていく。そうすると、商売も少しずつ回り出します。150%の種明かし結果として、承継後最初の決算は、売上が前年比150%くらいで終わりました。もともと1,500万円だった売上が、2,500万円に。ただし、これは「私がすごい」話ではありません。前オーナーを乗せて回したら、前オーナーがめっちゃ頑張った。それに駆け込みのラッキーパンチもありました。それが正直なところです。私の経営スキルはどうかと言うと、大したことはありません。東急電鉄でやっていたのはプロジェクトマネジメント。線表を引いて、役割分担して、期限を追う。複数のプロジェクトを管理することは、やったことがなくはない。それと、社会人大学院でMBAをとったので、ファイナンスやアカウンティングがわからなくもない。それくらいの素養です。商品に愛情がなくても、成り立つよく聞かれるので書いておきます。次亜塩素酸水そのものに、私の愛情はありません。ただ、一定のお客さんがいて、工場や医療施設で使われている。その人たちの役に立っていることは確かです。社会に役立っているという手触りがある。そこがモチベーションです。M&Aにあたっては、BtoBでお客さんがある程度見込める方が安心だし、リスクも低い。そこにクロスセルをして、10だった会社を20、30にしていく。それが事業承継の本懐だと思っています。商品に愛情があるのはもちろんいい。でも、なくても成り立つ。そこにいるお客さんが喜ぶ。そのお客さんに新しい価値を提供できる。それを楽しんでいます。守破離の「守」をやった1年1年目は、これまでの商売をうまく引き継ぐことに徹しました。守破離で言えば「守」です。2年目は、前オーナーと連携しながら、自分たちでも新規のお客さんを開拓して、新しい商材を入れて、今のお客さんにもっと喜んでもらう。売上目標は3,000万円超え。そして、自分たちで会社を回せるようになったら、今も現場を駆け回っている前オーナーには、名誉顧問のような形になってもらう。そういう来年にしたいと思っています。もっとも本人は「仕事がなくなるとボケる」と言って、死ぬまで働く前提ですが。次回は最終回。経営者になって変わったことと、これから考える人へ。※ 本コラムの内容は2025年3月時点のものです。